風と雪

作家/音楽家。 「小説家になろう」マイページ http://mypage.syosetu.com/682657/ Youtubeページ https://www.youtube.com/channel/UCaosrk1XssT-mho5n_S3jug

香川県の歌姫・かんのめぐみさんについて

私は香川県で活動していますが、同じ香川県で活躍しているアーティストの紹介をしたいと思います。かんのめぐみさんという方です。

 

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香川県で活躍する介護福祉士兼シンガーソングライターのかんのめぐみさん。今回の記事では、かんのめぐみさんという知る人ぞ知るアーティストについてまとめたいと思います。

 

かんのめぐみさんは1991327香川県高松市生まれです。

 

香川短期大学という短期大学を卒業して介護福祉士の免許を取得しています。

高校時代からギターの弾き語りのスタイルで音楽活動を行っているかんのめぐみさん。

 

介護の仕事をしながら、そこでお年寄りの方を中心に人と触れ合っている際に着想を得て、曲作りをするのだそうです。

 

実際、かんのめぐみさんの歌は「人間」を題材にしたものがほとんどで、人間のドラマを音楽にして伝えていっているということです。

 

「言葉では伝わりにくい思春期の独特の感情なども音楽にすると伝わった」と語っており、自分の中にある捉えきれない感情などを表現するのに音楽は打ってつけだったようです。

 

そして介護の方ですが、高校時代に参加した職業体験で介護の仕事に興味を持ったそうです。

お年寄りとコミュニケーションを取るのが楽しく、介護の仕事をしながら音楽を平行して活動していこうと決めたということでした。

 

短期大学卒業後、2011年に介護の仕事を開始しますが、不規則な勤務形態や書類などの仕事が多忙で、体調面での問題や音楽活動を続けられなくなりそうだったため、3年で介護の仕事を辞めました。

 

その後は介護とは関係のない仕事をしながら音楽活動を続けていきました。活躍の幅を広げ、ドキュメンタリーなどの楽曲も提供するようになったかんのめぐみさん。

 

しかし、介護の仕事を辞めてから、逆にお年寄りのことを考えるようになり、あるオーディションでも「お年寄りの歌が多いけど、今は介護の仕事はしていないんですね」と言われて考えが変わったそうです。

 

現在は介護の仕事にパート職員として復帰し、音楽活動も精力的に行っています。

 

香川県を中心に活動していますが、近年では関西や東京などでも活動を広げているかんのめぐみさん。

 

「吉川美津子のくらサポラジオ」というラジオ番組のオープニング曲、エンディング曲に自身の曲が

使用されたりと、確実にステップアップを果たしています。

 

さらに活躍の領域が広がっていくことは間違いないと思います。

 

2017年から「歌で紐解くアナザーストーリー」という企画ライブを香川県で開催しています。介護に関係のある人をゲストに招き、聴衆と共に音楽などを交えながら、その人の歴史やドラマを探っていくという企画です。イベントのクオリティの高さからかなりの好評を得ています。本人はこのような企画を県内外でどんどん広げていきたいと語っています。

 

あくまで介護の世界と音楽の世界をつなぐことに専念しているかんのめぐみさんです。このようなイベントを自ら行うというところが、本当に行動力があり尊敬します。音楽を通じて人と人をつなぎたいとも語っています。

 

これからも香川県を中心に、県内外でも人間のドラマや人間の歴史、温かみ、思いやり、優しさを聞く人に届けてくれると思います。これからのかんのめぐみさんに皆さん、注目してください。体調にだけは本当に気をつけて、これからも聞く人を感動させて欲しいです。香川県を本拠地にしながら、他の地域でも人気者になって欲しいです。

短編小説「クレアの幸せ」

本日刊行になった『短編小説 風雪の愛』のサブストーリーです。

よろしければ、お楽しみください。

 

☆☆☆☆☆

 

 

1)クレアの幸せ①

 

主要登場人物

クレア・レイニー・ユキ・モーア・マリア

 

20161221

 

ある宿屋にて

 

クレア「やっほー! レイニーいる!?」

レイニー「どうして俺がここにいることが分かったんだ!?」

クレア「この宿に入っていくのが見えたのさ!」

レイニー「……」

クレア「今日、暇!?」

レイニー「……え? まあ家庭教師はないけど……」

クレア「じゃあ、私ん家来て!」

レイニー「……え?」

クレア「いいから早く!」

 

10分後 クレアの家にて

 

クレア「3日ぶりだね、私ん家来るの!」

レイニー「……」

クレア「レイニー、私のこと、苦手でしょ!?」

レイニー「え!?」

クレア「隠さなくてもいいよ! 私、そんなのすぐわかるから!」

レイニー「いや……苦手じゃなくて……その……」

クレア「じゃあ質問変える! ユキのことどう思ってんの!?」

レイニー「え!?」

クレア「ユキのことだよ!」

レイニー「ユキは……いい人というか……」

クレア「それだけ!?」

レイニー「……それだけだ……」

クレア「だったら、施設にいたイケメンの性格いい人、ユキに紹介してもいい!?」

レイニー「え!?」

クレア「すっごいいい人! ユキとなら幸せになれるだろうな~」

レイニー「それは……ダメだ!」

クレア「……なんで、止めるの!?」

レイニー「……いや、その……」

クレア「く~! じれったいな! ハッキリ言いなよ!」

 

5分後

 

クレア「好きなんだったらなんで告らないの!?」

レイニー「……いや、別に……」

クレア「さっきの施設の人は嘘だけど、このままじゃ~ホントに誰かに告られちゃうよ~! あの子、モテるんだから!」

レイニー「……」

クレア「ホント、ウブなんだね! 勇気だしなよ!」

レイニー「……ユキは王子様を待ってるから……」

クレア「王子様!? ……ああ、なんか聞いたことあるな!」

レイニー「クレアさんも知らないのか!?」

クレア「その『さん』っての、これからは禁止ね! 深くは聞いたことないけど、昔助けてくれた『王子様』を探してるっていうのは聞いたけどね……」

レイニー「じゃあ、その人と……」

クレア「レイニーはそれでいいの!?」

レイニー「……」

クレア「あのさ~大事なのは他の人がどーかとかじゃなくて……レイニーがユキのこと好きかどうかじゃない!?」

レイニー「……」

クレア「まあ、しょせんその程度だったってわけか……」

レイニー「違う! 俺はユキを愛している……ユキが一日中頭から離れない……」

クレア「……だったら、いいじゃん! その想い大事にしなよ!」

レイニー「明後日、ユキの教会に行こうとしてた……」

クレア「明後日!? 明日じゃダメなの!?」

レイニー「明後日はユキの誕生日だから……」

クレア「あ! そうだった! ダメだ……ずっと施設にいたから、お祝いしたことなかったんだ……でもよく覚えてるね! スゴイよ!」

レイニー「俺と同じ誕生日なんだ……」

クレア「これまたスゴイや! 運命だよ、それ!」

レイニー「……ユキは大丈夫かな?」

クレア「だから言っただろ? ケロっとしてるって!」

レイニー「……」

クレア「じゃあ、明後日、告るんだね!?」

レイニー「……いや、告白は……」

クレア「く~! だんだん腹立ってきた! レイニーはどうしたいの!?」

レイニー「……ユキと一緒にいられれば、それでいい……」

クレア「ふ~よくわからないね……でも、いつまでもそんなんじゃだめだよ!」

レイニー「……分かってる……いつかは……」

クレア「ユキには花を贈ればいいよ!」

レイニー「花……」

クレア「なんか、花が大好きらしくてさ……それであんな仕事してんの!」

レイニー「花か……」

クレア「そうそ!」

レイニー「クレアさん……いや、クレア……ありがとう」

クレア「どうしたの!? 急に改まって……」

レイニー「いや、クレアは俺よりずっと昔からユキのこと支えてくれてたんだな……ありがとう……」

クレア「ぷっ! それって、ユキの恋人みたいなことばだよね!」

レイニー「いや! 違う! 正直なことばだよ……」

クレア「まあ、いいや! こっちこそありがと! ユキ、レイニーに再会できて、ホントに嬉しそうだったよ!」

レイニー「俺がクレアを苦手だったのは……ユキと仲良しだからだよ……」

クレア「うん!?」

レイニー「なんか、ユキのこと、俺より知ってる人が……なんかうらやましかったんだ……」

クレア「大変な人ね……これからライバルがどんどん現れても仕方ないよ!」

レイニー「え!?」

クレア「嘘ウソ! まあ、ユキは私の親友だからね! ユキがいないと、私だって独りぼっちなんだよ!」

レイニー「……」

クレア「ユキを生き返らせてくれて……ありがと!」

レイニー「いや、別にあれは俺の力じゃ……」

クレア「うんうん! でも、誰にお礼っていいか、わからないから、とりあえず、レイニーにお礼言っとくよ! ありがと! ユキが生き返らなかったら……」

レイニー「……」

クレア「私もレイニーと同じことしてたさ……」

レイニー「クレア……」

クレア「ユキが笑顔でいてくれるのが、私の幸せだからね……ふ~っ、さっきの撤回ね! 私の親友はユキとレイニーだけだから!」

レイニー「俺も入れてくれるのか……?」

クレア「もちろん! これからも3人で仲良くしようね!」

 

20161222

 

ユキ「クレア……ちょっと、付き合ってくれない!?」

クレア「どうしたの!?」

ユキ「明日、レイニーの誕生日なんだ! プレゼント買いたいんだよ~」

クレア「いいよ! 近くでバザーがあって、珍しいものが買えそうだから、そこ行こうよ!」

ユキ「うん!」

 

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マリア「もう、あのバカ息子は……さっさと告白すればいいのよ……」

モーア「あなたの息子さんですよ……」

マリア「もう奥の手を使うわ!」

モーア「奥の手!? え!? ダメですよ! それは現世とあの世をつなぐ石! それはいざというときにしか使ってはいけません!」

マリア「いざというときじゃない!」

モーア「……」

 

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10分後

 

ユキ「あ! この本いいかも! なんも書いてない本! レイニーは本好きだけど、こんなの持ってないんじゃないかな!?」

クレア「へえ、珍しいね……日記にでも使うのかな……?」

ユキ「これにしよう!」

 

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マリア「ユキちゃん! ナイスなものを選んだわ! これに息を吹き込もう!」

モーア「もう……どうなっても知りませんよ……」

マリア「あ」

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ユキ「あれ? 1ページ目に何か文字が書いてある……なんて読むの?」

クレア「『あ』だね……不思議な本だね……『あ』しか書いてない本って……」

ユキ「これにしよう!」

 

10分後

 

ユキ「せっかく、プレゼント買ったけど、レイニーどこにいるかわからないや……」

クレア「大丈夫! また、ぽわ~っと現れるよ!」

ユキ「そうだよね! うん! また会える気がする!」

 

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マリア「上手くいったわ! さあ、これでレイニーに告白するまで頑張ってもらうわ!」モーア「……」

マリア「まずは、『邪悪なる光の石』を壊してっと……あと、ユキちゃんには病気になってもらうわ!」

モーア「マリア様が恐ろしい……」

 

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教会にて

 

クレア(ユキとレイニーが結ばれますように……)

 

 

2クレアの幸せ②

 

主要登場人物

クレア・レイニー・ユキ・モーア・マリア

 

201724

 

教会にて

 

ユキ「……ただいま」

レイニー「……おかえり?」

ユキ「ごはん食べた?」

レイニー「ああ……ユキは?」

ユキ「私も食べてきた! じゃあお風呂沸かすね……」

レイニー「……」

ユキ「どうしたの?」

レイニー「……なんか、元気ないな?」

ユキ「え!? そうかな!?」

レイニー「いつもの笑顔と違う……」

ユキ「……」

レイニー「何があったんだ?」

ユキ「……」

レイニー「……まあ、何もなかったんなら、いいけどさ……」

ユキ「レイニーには何でもわかっちゃうんだね……」

レイニー「……何があったんだ?」

ユキ「……誰かに後をつけられてる気がする……」

レイニー「え!?」

ユキ「さっき、クレアの家に行くときも、ここに帰ってくるときも……誰かに後をつけられてる気がするんだ……クレアがその辺を探ってくれたんだけど……誰もいなかった」

レイニー「……」

ユキ「あ! でも、勘違いだと思う! それよりお風呂……」

レイニー「……花売りはしばらく辞めたらどうだ?」

ユキ「それは嫌! 私、何もしてない方が嫌……」

レイニー「……」

ユキ「……ごめんなさい」

レイニー「……じゃあ、俺も明日から一緒に花売りするよ……」

ユキ「え!? いいよ、夜の家庭教師の準備があるでしょ?」

レイニー「別に大丈夫だよ……朝早く起きるから!」

ユキ「……」

レイニー「うん?」

ユキ「えへへ……じゃあ、お願いする!」

 

201725

 

街で花売りをするユキとレイニー

 

レイニー「どうだ? つけられてる感じはあるか?」

ユキ「うんうん! 今は大丈夫!」

レイニー「……そうか」

子ども「お姉ちゃん!」

ユキ「あ! この前の子だね!」

子ども「お姉ちゃんにもらった花、お母さん喜んでくれてたよ!」

ユキ「ホント? よかった……」

子ども「これ! お母さんがお姉ちゃんに手紙書いたの! 今、読んで!」

ユキ「え……?」

レイニー「……」

子ども「『今』、読んでよ~!」

ユキ「……」

レイニー「……」

子ども「何だよ! もういいよ!」

ユキ「あ……」

レイニー「……」

 

夜、教会にて

 

ユキ「あの子、傷つけちゃった……」

レイニー「違うよ! あれは行き違いだ! 向こうも知らなかったんだし……」

ユキ「……文字が読めるようになりたい」

レイニー「え……」

ユキ「私、もう危険じゃないかもしれないけど……文字は読めないまま……それがずっと嫌だったの……」

レイニー「……」

ユキ「ダメ?」

レイニー「いいよ……特訓しよう!」

ユキ「え……今から? いいよ……レイニー、昼も夜も働いて疲れてるでしょ、明日でも……」レイニー「『今』したいんだよ……」

 

10分後

 

レイニー「……」

ユキ「ごめん……私、バカでしょ……」

レイニー「いや、俺の教え方が悪いんだ……ユキはバカじゃない!」

ユキ「うんうん……私がバカだからいけないの……私が文字を読めたら、人を傷つけないで済んだのに……」

レイニー「あれはだから……『行き違い』だよ! 本当にバカなのは……マルクとか、ジャックとかみたいな奴らだろ?」

ユキ「……」

レイニー「有能な人材じゃなくてもいい! 俺は、幹部試験に最年少で合格したけど、幸せにはなれなかったよ? 本当に頭のいいひとは、自分も幸せで、他人も幸せにできる人じゃないのか……?」

ユキ「……」

レイニー「……一度しか言わないから……俺はユキといれて幸せなんだ……だから……明日また頑張ろう!」

ユキ「……うん……ありがと……明日また頑張ろ!」

 

20172678910

 

昼間はユキとレイニーで花を売り、夜はレイニーが家庭教師に帰ってきた後で、文字の読み書きの練習をするが、一向に上手くいかない。

 

2017211日 夜、教会にて

 

レイニー「じゃあ、これは?」

ユキ「『あ』かな……?」

レイニー「これは『え』だ……うーん……」

ユキ「ごめん……私がバカだから……」

レイニー「バカじゃないって言ってるだろ? 疲れてるんだよ、少し休もう……」

ユキ「うんうん! 続ける! それより、レイニー、どうしたの? そのメガネ?」

レイニー「いや……最近、目が悪くなっただけだよ……」

ユキ「クレアが似合ってるって言ってたよ?」

レイニー「……そうか」

ユキ「はい、次の問題だして!」

レイニー「なあ……いいのか?」

ユキ「うん?」

レイニー「ストーカーがいるかもしれないのに……こんなことしてていいのか?」

ユキ「こんなことって! 私にとっては大事なことだよ!」

レイニー「わかってるよ……けど」

ユキ「わかってない!」

(沈黙)

レイニー「なあ、文字が読めなくたっていいじゃないか……もっと別の生き方だって……」

ユキ「それは文字が読める人の言い分!」

レイニー「……そんなに怒るなよ……俺だって、必死にユキのことわかろうとしてるんだから……」

ユキ「……」

レイニー「やっぱり、警察に行った方がいいんじゃないか?」

ユキ「いいよ……ハッキリした証拠もないし……」

レイニー「けど……」

ユキ「レイニーは心配しすぎ! はい、次!」

レイニー「……もうやめだ……」

ユキ「え……?」

レイニー「文字の練習はストーカーを捕まえた後だ……それまで……こんなのんきなことしてられないよ……」

ユキ「……」

レイニー「……」

ユキ「!!」

レイニー「ユキ! 何してるんだ? やめろ!」

ユキ「本なんかなかったらいいのに……こんな本……」

レイニー「やめろ! 本に八つ当たりすんな!」

ユキ「本なんか……大っ嫌い!」

レイニー「いい加減にしろ! 本が好きか嫌いかは読めてからにしろ! 文字が読めないくせに!」

ユキ「……」

レイニー「あ……ごめん……」

 

ユキは教会の部屋から出ていって、号泣する。レイニーはなだめようとするが……

 

レイニー(? 人影……)

レイニー、人影についていく。

 

レイニー「おい! ユキをつけてただろ? 誰だ?」

 

人影が姿を現す。

 

レイニー「……」

 

クレアの家にて

 

クレア「やっほー! って……レイニーだけ……?」

レイニー「ちょっといいかな?」

クレア「いいよ! 今、テレビ見てただけだし!」

レイニー「……」

クレア「暗いね……」

レイニー「色々あったんだけど……大きく言ったら2つ……」

クレア「マシな方から聞こうか?」

レイニー「……ユキを泣かしちゃった……」

クレア「!? それがマシな方? 何があったの?」

レイニー「ユキに『文字が読めないくせに』って言っちゃったんだ……」

クレア「……レイニー、目つぶって?」

レイニー「え!?」 

 

レイニー目をつぶる。そこへクレアの平手打ちが飛ぶ。

 

レイニー「……」

クレア「他の人ならいいけど……ユキ、そんなの慣れてるから……けど……」

レイニー「……」

クレア「レイニーには言ってほしくなかったな!」

レイニー「……ごめん」

クレア「私に謝ることじゃないだろ? で、もう1つは?」

レイニー「……ストーカーが見つかったんだ……」

クレア「え? いいことじゃない! で、警察に突き出したの?」

レイニー「いや……」

クレア「は?」

レイニー「あのストーカーの正体は……俺だったんだ……」

クレア「はぁ?」

レイニー「昔、本で読んだことがある……勇者は自分の感情を人の形にして、分身にすることができたんだ……怒りの感情で攻撃の魔法が使える分身を創ったり……悲しみの感情で人を癒す回復の魔法が使える分身を創ったり……」

クレア「うんうん」

レイニー「で……俺の感情が独り歩きして、ユキのストーカーを創ってしまったんだ……俺が……あまりにユキのことが心配だから……」

クレア「……」

レイニー「俺の分身は本体の俺に見られたことで、もう消えたけど……俺は、心配なんだ……ユキのことが……」

クレア「……分かったよ……レイニーがユキのこと、どんだけ思ってるかは分かった……けど……もう少し、信じてあげたら?」

レイニー「信じてるよ!」

クレア「いや、信じてないな……レイニーはユキにびくびくしてる……いつか、嫌われるんじゃないかってね!」

レイニー「……」

クレア「ねえ、どうしてユキが文字を読みたいって言いだしたか知ってる?」

レイニー「子どもを傷つけたから……」

クレア「それもあるけど……ユキはレイニーと同じ世界を見たかったんだよ! レイニーは本が好きだから、自分も本を読めるようになりたかったんだよ……」

レイニー「……そうだったのか……そんなことも知らずに……俺……」

クレア「でも、レイニーの思いは……ちょっと重たすぎるけど、本物だったってことは、ユキにも伝わってると思うよ! レイニーだって、ユキの見てる世界を見たかったんだろ?」

レイニー「え?」

クレア「あのメガネ……度がキツイ奴だよね? 昔、施設にそういうメガネしてた子がいたから、わかる! あんな度がキツイメガネかけて……レイニー、別に目も悪くないのに……」

レイニー「……」

クレア「あれで本を読んで、文字が読めない人の気持ちを理解したかったんだろ?」

レイニー「……まあ、うん」

クレア「行き違いだね!」

レイニー「……」

クレア「さあ! さっさと帰った! 帰った! 仲直りしてきな!」

レイニー「ありがとう……クレア」

クレア「大丈夫だよ! 昔言っただろ? ユキの笑顔が、私の幸せなんだよ!」

レイニー「……」

クレア「ユキを笑顔にしてあげて!」

 

クレアの家の玄関にて

 

クレア「ユキがもう1つ言ってた!」

レイニー「何を?」

クレア「レイニーのことばは美しいし、優しいけど……時々本当の気持ちが分からなくなるって! 本音が聞きたい! って言ってたよ!」

レイニー「……」

 

教会にて

 

ユキ「どこ行ってたの? 心配してたんだよ! もう帰ってこないかと……思っちゃった」

レイニー「ごめん……」

ユキ「私、レイニーに捨てられたら、どこにも居場所がないもん……」

レイニー「ごめん……ストーカーを捕まえてきたんだ……」

ユキ「え!?」

レイニー「近くに住んでいる若い男だった……もう警察に突き出したから大丈夫だよ……これで安心して、文字の練習ができる……」

ユキ「……もういいよ」

レイニー「え……?」

ユキ「……書けるようになったから……」

 

ユキ、「レイニ」と紙に書く。

 

レイニー「これ… …?」

ユキ「さっき、練習してたんだ……これだけ書けたら、もう満足!」

レイニー「ユキ、自分の名前も書けるのか?」

ユキ「うんうん! これだけ!」

レイニー「…………」

ユキ「これで仲直りだね……?」

レイニー「ごめん……あ、ちょっと散歩してきていいか?」

ユキ「え……?」

レイニー「帰ってくるから! ちょっと、考え事だよ!」

ユキ「わかった……いってらっしゃい!」

 

夜、就寝する前の時間、ベッドにて。

 

ユキ「私、窓側って初めてだね!」

レイニー「そうだな……」

ユキ「ねえ、手見せて?」

レイニー「え? ああ……」

ユキ「あの時と同じ……靴貸してくれたときと同じきれいな手……」

レイニー「よせよ……照れるよ……」

 

ユキ、レイニーの左手の傷痕に気づく。

 

ユキ「!!」

レイニー(まずい……)

ユキ「……」

レイニー「昔、だよ……へゲル団にいたときにつけたんだ……今は……やってないよ……」

ユキ「……」

レイニー「……」

ユキ「隠し事するのは仕方ないと思う……けど、一度言ったことばは元には戻らないよ……」

レイニー「……」

ユキ「信じるよ?」

レイニー「……ごめん、さっき外でつけたんだ……」

ユキ「……」

レイニー「……ごめん」

ユキ「手見せて!」

レイニー「え?」

ユキ「私はレイニーの苦しみは理解してあげられない……一生無理だと思う……」

レイニー「……」

ユキ「けど、こうやって手握ることはできるから……」

レイニー「……」

 

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マリア「ダメね……あの子、もっと強くならないと!」

モーア「次は何をされるんですか……?」

マリア「モーア! 私のために動いて!」

モーア「はぁ……」

 

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201742日 レイニー、家庭教師の帰り道にて

 

レイニー「……?」

モーア「レイニーだね?」

レイニー「誰だ?」

ザリア「ごめんなさいね……」

レイニー「?????」

ザリア「さあ、言って? あなたは誰のために生きてるの?」

レイニー「……ザリア様です……」

モーア「さあ、行こうか? 君が強くなるための、壮大な物語の始まりだ……」

 

11月3日、ライブを行いました!!

去る2017年11月3日に香川県丸亀市のルフランというピアノ喫茶でライブをさせていただきました↓↓↓↓↓

 

2017年11月3日 - YouTube

 

聞いてくださった皆さん、ライブを運営されたルフランの皆さん、こんな不埒な人間と競演していただいた中村さん、そして全てのご縁をつないでくださった岡田さん……ありがとうございました!!!!!

 

またの機会があれば、宜しくお願いいたします☆

 

基本的なコンピュータ用語のまとめ

基本的なコンピュータに関する用語をまとめました。基礎中の基礎ばかりですが、是非ともご参照ください。

 

・ハードウェア:パソコン本体やディスプレイなどのパソコンを機能させるための機器の総称。

 

・ソフトウェア:パソコンを稼働させるための手順書のこと。プログラム。

 

クラウド・コンピューティング:ネットワーク上にあるデータやソフトウェアを取り出して活用すること。また、クラウド上で共有もできる。

 

・デバイス:入力装置と出力装置。

 

・ユニット:制御装置、演算装置、記憶装置

 

・外部インターフェイス:パソコンの外部にあるコネクタUSB2.0ポートやLANポートなど。

 

・ビット(b)コンピュータ上の「0」と「1」のデータを表現するための最小単位。

※1B=8b、1KB=1024B、1MB=1024KB、1GB=1024MB、1TB=1024GB

 

・OS:パソコンを起動させるためのソフト。WindowsLinuxUNIXなど。

 

・アプリケーション:パソコンを使用してある目的を達成するために使用するソフトウェア。アプリ。

 

ブラウザー:インターネットを表示するためのアプリケーション。

 

IPアドレス:ネットワーク上の住所。割り当てられることを変更することが可能なので、「論理アドレス」とも呼ばれる。

 

・サーバー:ほかのコンピュータからの要求に応えるためのコンピュータやプログラム、ソフト。

 

ドメイン名:URL(Uniform Resource Locator)上の組織名以下の部分。

http://jacker1223.hatenadiary.jp/の場合、jacker1223.hatenadiary.jp/の部分。

 

参考文献:

株式会社トリプルウィン (2015) 『パソコンのしくみ』新星出版社

物語としての授業――トマシェフスキーのモデルを援用して

私の最近の家庭教師における授業の実践報告モドキをしたく思います。

 

授業の構成として有名なものは「導入―展開―まとめ」でしょう。

 それに類似したものとして、世阿弥の芸術論である「風姿花伝」では「序―破―急」という構成が有名です。

 

私が普段実践している授業の構成は、物語論のトマシェフスキーのモデルを援用したものです。

 

授業も、単なる「プレゼン」ではなく、ドラマ性を重視した「物語」であるべきだという信念を、私は最近抱いているため、彼のモデルを援用しています。

 

トマシェフスキーによると、物語の構成は以下のようなものになるようです。

 

・発端状況

・山場

・波乱

・緊張

・クライマックス

・結末

 

これを援用して、ある日の高校生(3年生)に対する英語の家庭教師の授業を紹介したいと思います。

 

授業の目標:

(1)本文の内容を理解する。

(2)本文の英語を再生できるようにする。

(3)本文から問いを創造する。

 

・発端状況(Introduction)

 何気ない雑談から、本日の学習題材へとつなげる。

 

・山場(文章の鑑賞)

 教科書本文の鑑賞を行います。この際、日本語訳(explicature)は先に配布しておき、言外の意味(implicature)を解説しながら、本文の深い読解を試みます。

 

・波乱(音読)

 教科書の内容理解(explitcatureとimplicatureの把握)が完了したら、教科書本文の音読を何度もこなします。単純なRepeat→Buzz Reading→Read & Look upを何度も繰り返して行い、教科書本文の自己再生を目指します。

 

・緊張(暗写)

 教科書の口頭による再生がある程度めどがついたらそれを「書ける」ようにします。教科書本文の音声を聞いて、それを暗記できるよう心がけます。そして、そのまま何も見ずに書けることを目指します。いわゆる「ディクトグロス」のもどきだと考えて頂ければわかりやすいと思います。

 

・クライマックス(問いの創造)

   最終的に教科書本文を自分の「もの」にしたら、本文における「問い」を発見させます。これは、将来自分で問いを創ることのできる学習者を育てることを目指して行っているクライマックス的な活動です。これまで生まれた問いには、「この英文の真の意味は何か?」といったものから、「この登場人物の性格は?」や「このスピーチはどこで行われているのか?」などの物語性を重視した問いまで、色々ありました。

 

・結末

 今回学んだことを教師と生徒の対話によって、ふりかえります。

 

個々で重要視しているのは、ゴールがあってそれに向かうという「仮説検証型」の授業ではなく、学んでいるうちに、問いを生徒に発見させる「課題探求型」の授業を心がけていることです。

 

およそ8年間教育の仕事をしてきて、たどりついた私の「授業の型」が以上のものです。まだまだドラマティックに展開できるような改良はできるでしょうが、概ね好評なので、今回ご紹介した次第であります。

 

参考文献:

志村宏 (2011) 『風姿花伝講談社学術文庫

ジャン=ミシェル・アダン 著、末松壽・佐藤正年 訳 (2004) 『物語論白水社

サルにはなりたくない。

かつて「さよなら人類」という曲がありました。

 

初めて聞いた時は、何をふざけているのか? と思いましたが、この曲は紛れもない「反戦ソング」でした。

 

長い歴史の中で、人類学者はアルカイックな地域を研究して、そこから浮かび上がるものを「人類」ととして記述しようとしてきました。

 

近年、その動きに批判がくわえられています。「人類は皆平等」という理念のもと、ポストコロニアル理論やカルチュラル・スタディーズなどの学問も生まれました。

 

www.youtube.com

我々はどこから来て、どこに向かおうとしているのでしょうか?

 

1つだけ確実なのは、カール・マルクスが言っていたように、人類は「類的存在」だということです。

 

私も最近、他者との交流を避ける生活を続けていましたが、「絆」や「友愛」を味わい、深めるために、行動しようと思いました。

良い演技者を創るには――平田オリザと関連性理論から考えたこと

1 序論:良い演技者とは、コンテクストが豊かな存在。

1.1 背景

良い演技者とはどんな存在なのだろうか。教育の文脈で「演技」の効用が謡われて久しいが、ただ単に教育の世界に「演技」を導入してもうまくはいかない。「演技」そのものについて考えることに意義がある。

 

1.2 これまでの研究:平田オリザの演技論

平田オリザによれば、良い演技者とは「コンテクスト」を豊かに持つ存在である。コンテクストとは従来の意味の「文脈」を超えて、人間の言語使用全般にかかわる複合的な概念である。

 

1.3 研究課題:コンテクスト概念のさらなる考察が必要である。

 

2 方法:コンテクスト概念を関連性理論に沿って考え直し、「良い演技者」について再考する。

 

3 結果:コンテクストとは、外の世界からの刺激に対して、顕在化できる想定の集合体のことである。


4 考察:良い演技者は豊かな想像力を持つ。

関連性理論によるコンテクストとは、刺激に対して自由に想定を顕在化できる力のことだった。例えば、いつも一緒にいる女性が今日はいつもと違う笑顔を見せていたとしよう。この「女性の笑顔」という刺激に対し、「元気がないな?」、「何かあったのだろうか」というように、次々に想定を広げていくことが、コンテクストの根源的な意味である。これはひとえに「想像力」と言い直すことが可能かもしれない。外の世界からの刺激に鋭敏に反応し(コミュニケーションであれば、他者からの顕在的刺激を間違いなく受け取り)、それに対して自身の経験などを踏まえて(認知環境を総動員し)、想像力を膨らませ、解釈していくことが、豊かなコンテクストを持つという意味である。

 

5 結論:「想定」のさらなる考察が必要。

良い演技者とは、外の刺激に対して様々な想定を顕在化できる、豊かな想像力を持つ存在のことである。

「想定」概念がまだ不明慮だが、ルーマンによる「意味」、「顕在的可能性」、「潜在的可能性」の概念が、これらをさらに明瞭的に描写できると考えられる。

 

参考文献:

井上ひさし平田オリザ (2003) 『話し言葉の日本語』小学館

平田オリザ (1998) 『演劇入門』講談社
平田オリザ (2012) 『分かり合えないことから』講談社
D. Sperber. & D. Wilson. 1995. Relevance: communication & cognition, Blackwell.

「作者の意図」に関する考察―村上春樹のインタビュー記事の語用論的解釈

1 序論:

1.1 背景

作家が表現するということはどういうことなのだろうか。作家は自分の意図したことを全て、自分の作品の中に託すことはできるのだろうか。

 

1.2 これまでの研究:語用論

「意味」には「意図された意味」と「表現された意味」がある。前者は発話や文章を生み出す人間の思考・感情内から生み出された意味であり、後者はその意図が世界に表出された際の独自の意味である。

 

1.3 研究課題:作家は自分の意図したことを全て作品の中にゆだねることはできるのだろうか?

 

2 方法:優れた作家のインタビューの分析

対象:村上春樹川上未映子

データ:川上未映子による村上春樹のインタビューをベースにした文章

 

3 結果:作家が意図したことを超えて作品は動き出す

村上春樹によれば、自身が意図したことの全てを作品内にゆだねることは不可能である。自身が意図したことを超えて、作品の読者が作品の「意味」を作り出すことは頻繁にある。むしろ、村上春樹は自身の作品について「こういう意図があったんですよ」などとメタ的な解説はしない。あくまで作品は読者によって「表現」されるものである。

 

4 考察:「表現された意味」の可能性を認めること

作家は自身の意図により作品をコントロールできると考えるのではなく、作品内における言語が持つ有機的な「表現された意味」の可能性を信じるべきである。物語=作家ではなく、物語=作家×読者のような視点から、作品を眺めるべきである。しかし、それを念頭に置いた創作をするのではなく、「自分の創り出す作品には、自分の想像を超えた可能性がある」ということを認めることから始めるべきではないか。

 

5 結論:「意味」概念の再検討の必要性

作品及び物語とは、作家の意図した範疇を超えた世界を生み出す。

作家は読者の解釈や鑑賞を、全面的に肯定的に認めることが肝要である。

今後は、「意味」概念への理論的探究が課題である。

 

参考文献:

川上未映子村上春樹 (2017) 『みみずくは黄昏に飛びたつ』新潮社

T. K. スン 著、輪島士郎・山口和彦 訳 (1989) 『文学のプラグマティクス』勁草書房 

善く生きること――ソクラテスから学べること

最近、これまで勉強していなかったソクラテスについて勉強を始めました。

 

ソクラテスは哲学の祖先的存在とも言われるように、「古い」のですが、彼が言っていたことは現代の世の中にもつながることがあることに気づきました。

 

私が注目している数学者の方も「ソクラテスに還れ」という趣旨のツイートをしていたところですので、ますます興味が湧きました。

 

今回、哲学の入門書を参考に、ソクラテスの思想を自分なりに味わってみました。想像と言ってもいいかもしれません。現代の世の中の視点からソクラテスを見つめるために、比較的新しい入門書を選びました。プラトンによる『ソクラテスの弁明』も読んだのですが、彼の時代の価値観を想像することはまず不可能なので、今回参考文献には入れていません。

 

私がソクラテスについて特に感銘を受けた点は(1)無知の知、(2)知への愛です。

 

(1)無知の知

ソクラテスについて一番有名なことばかもしれません。「自分は何も知らないことを知っているだけ、知っていると思いこんでいる輩よりは優れている」という趣旨のことばです。

 

これは一重に「謙虚に生きよ」ということでしょう。

 

しかしながら、ソクラテスソフィストたちを中心とした賢者へ質問を振りかける際、何の思想にも依拠しなかったのでしょうか?

 

もし依拠していたのであれば、ソクラテスはその「思想については『知っている』」あるいはその「思想については『信じている』」ことになります。

 

ソクラテスは一説によれば、自然の全ての現象を「否定」する立場にあったようです。

 

世の中は「肯定」することが中心によって出来上がっています。しかしながら、ソクラテスはその対概念である「否定」によって言動を行っていたようです。

 

「否定」についてはヘーゲルにもつながると思われるのですが、ヘーゲルについては私はソクラテス以上に無知なので、ここでは何も言いません(言えません)。

 

そのようなあらゆるバックボーンとなる「権力」を「否定」することによって、ソクラテス流の「善く生きる」ことにつながるのではないか、というのが私の愚見です。

 

世の中には自身の権力を増強させようとする者が多いのは周知の事実です。また、権力者に対して、大した思考もいれず批判することが自己目的化している者も多いと思います。

 

しかしながら、自身が本当に「無知」だと自覚しているのであれば、ソクラテス流の「質問法」しかできないのでははないでしょうか? 他者を「批判」することなどできないのではないでしょうか(「否定」と「批判」は似て非なる概念です)?

 

上記の内容自体、権力に媚びる人間への「批判」になっているため、私は彼/彼女らに「どういう気持ちですか?」と尋ねたい……という記録でとめておきます。

 

あらゆる権力を否定し、自身が何の権力にも依拠しない(できない)ということを実感することが、真の意味での「無知の知」すなわち「謙虚に生きる」ことなのかもしれません。それが、ソクラテス流の「善く生きる」ためのヒントになるのかもしれません。

 

(2)知への愛

(1)ともつながりますが、何かを知るためには「信じる」ことが必要になってきます(これは私にとって耳の痛い話になります)。

 

では「信じる」というのはどういうことなのでしょうか?

 

「信じる」の反対概念で真っ先に思い浮かぶのが「疑う」ということです。「疑う」とは、何かに対して矛盾を暴く行為でもあります。

 

では、信じるとは「矛盾」した状態を受け入れることではないのか、というのが私の愚見です。

 

人間は矛盾しながら生き続けます。それに対してやたらに「批判」を続けるのではなく、それを受け入れることが「信じる」ことではないでしょうか?

 

知識というのは、矛盾と隣り合わせです。たとえ話を変えると、まるっきり主張が変わるように、知識というのは案外もろいものだと思います。

 

知識を手に入れるには「批判的思考」が必要だという人もいますが、「信じる」ことによって、手に入る知もあるのではないでしょうか?

 

それを踏まえて、手に入れた知こそが本当の「知識」になるのではないか、と考えています。

 

上記の愚見をまとめると……

(1)あらゆる権力を否定し、自身が何も知らないということを実感し、「謙虚」になること。

(2)矛盾を受け入れ、「信じる」ことによって知を手に入れること。

の2つが「善く生きる」ためのヒントになるのではないか、というのが私の愚見です。

 

ソクラテス自身が権威とはかけ離れながらも、知と向き合う生き方を行った「生きる証拠」です。現代の世の中で、ソクラテスの生き方をそっくりそのまま再現することは不可能に近いと思われますが、彼から学べることは多いと思います。

 

参考文献:

木田元 編 (2003) 『哲学者偶像101』新書館

田中正人 (2015) 『哲学用語図鑑』プレジデント社

富増章成 (2016) 『哲学者図鑑』かんき出版

貫成人 (2001) 『図解雑学 哲学』ナツメ社

 

 

Two of us -- The Beatlesの物語

「今日はジョンの50回目の誕生日だ。だから、彼にささやかなお祝いをしてあげたかったんだ」

 

The Beatlesの中心メンバーとして活躍したポールとジョンだったが、彼らの歴史は「戦いの歴史」でもあった。

 

The Beatles解散直前、ジョンは妻のヨーコを頻繁にスタジオに連れてきていた。時には彼女に歌わせることもあった。

 

THE BEATLES - LET IT BE 1970 - YouTube

 

スタジオに女を入れることを禁じるルールを作っていた他のメンバーは激怒した。

 

ポールはメンバーの鎖を解こうと必死だった。しかし、悲しきかな、The Beatlesは解散へと追い込まれる。

 

Golden Slumbers / Carry That Weight / The End - YouTube

 

しばらく、ポールは歌うことを辞めた。ベッドから動けなくなり、食事をとることも、ひげをそることも辞めた。

 

ポールの感情は怒りへと変わっていく。彼は、自身の曲の中に他のメンバーへの怒りを込めて歌うことを始めた。

 

これに敏感に反応したのは、ジョンだった。ジョンも自身の曲の中で、ポールへの怒りを激しくぶつけた。それは、ポールよりも直接的で、ストレートなものだった。

 

何、目を開けたまま眠っているんだ? お前のYesterdayはもうAnother Dayだ!

How Do You Sleep? (original album) / John Lennon - YouTube

 

しばらくして、ジョンは表舞台から去ることになった。平和活動も辞め、目立った動きを見せなくなった。

 

ある日、ポールがジョンの住むマンションを訪れた。

 

「過去の亡霊か?」

「『あいつら』の1人だな?」

ジョンはポールを遠ざける。

 

しかし、かつて親友であり戦友であった2人の間には、他者にはわかりえない絆があった。2人は再び、同じ道を歩もうとしていた。

 

その夜、テレビから呼びかける声があった。

「ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ……再び集まったら、1億ドルを渡す。さあ、どうする?」

挑発的な言葉だった。

 

ジョンは言う。

「やろう!」

 

ポールは外の車にギターを取りに行く。

 

ポールが戻ってくると、ジョンが元気なく電話をしていた。

「ヨーコ、お前に逢いたい。お前が俺の存在を保たせてくれる……」

 

The Beatlesの再結成は幻と消えた。

 

数年後、ジョンはポールに宛てたと思われる曲を書いた。

 

メリーゴーランドからはもう降りた。後は勝手に回ってくれ。

John Lennon - Watching The Wheels - YouTube

 

後年、ジョンはこんなことを言っていたという。

「俺は人生で最高の選択を2回した。1回目はヨーコ。2回目はポールだ」

 

1980年12月8日、ポールに一報が届いた。

「ジョンが死んだ」

「薬か?」

「いや、殺された……」

 

しばらく、ポールは音楽の力を失った。

 

「今日はジョンの50回目の誕生日だ。だから、彼にささやかなお祝いをしてあげたかったんだ」

 

John Lennon Medley - PAUL McCARTNEY - YouTube

 

生き残ったポールは今でもジョンのことを語り継ぐ。

 

Paul McCartney - A Day In The Life\Give Peace A Chance Live at Anfield, Liverpool 1st June - YouTube

 

「『僕ら』の2人」として。

 

The Beatles - Two Of Us - Get Back sessions - YouTube

 

参考文献:

Tony Barrow. 2005. John, Paul, George, Ringo & Me. Thunder's Mouth Press.