風と雪

作家の和泉敏之のブログ

英語

物語としての授業――トマシェフスキーのモデルを援用して

私の最近の家庭教師における授業の実践報告モドキをしたく思います。 授業の構成として有名なものは「導入―展開―まとめ」でしょう。 それに類似したものとして、世阿弥の芸術論である「風姿花伝」では「序―破―急」という構成が有名です。 私が普段実践してい…

良い演技者を創るには――平田オリザと関連性理論から考えたこと

1 序論:良い演技者とは、コンテクストが豊かな存在。 1.1 背景 良い演技者とはどんな存在なのだろうか。教育の文脈で「演技」の効用が謡われて久しいが、ただ単に教育の世界に「演技」を導入してもうまくはいかない。「演技」そのものについて考えることに…

Two of us -- The Beatlesの物語

「今日はジョンの50回目の誕生日だ。だから、彼にささやかなお祝いをしてあげたかったんだ」 The Beatlesの中心メンバーとして活躍したポールとジョンだったが、彼らの歴史は「戦いの歴史」でもあった。 The Beatles解散直前、ジョンは妻のヨーコを頻繁にス…

生徒のこころを育てる--『贈与論』を読んで考えたこと

1.はじめに 教育の世界に経済・経営の論理が拡大しています。特に英語教育の世界では、この傾向が強まっています。生徒は顧客で、教育はサービス業であるという理念です。しかしながら、教育とは本来、「人間を育てる」という営みであり、「財を作り出す」…

不安定なコミュニケーション

拙著『教師に向けた「輝く英語教育を夢見て」』でも書いたことですが、英語教育における「コミュニケーション」は安定性より不安定性を重視すべきではないかと考えています。 英語教育におけるコミュニケーション観は「伝わる」あるいは「伝えなければならな…

言語の有機性-『一般言語学講義』から考えたこと-

遅ればせながらソシュールの『一般言語学講義』を読了しました。読もうと決めて、実に10年間放っておいてしまい、不勉強を重ねたことをここに反省します。 ソシュールの『一般言語学講義』には言語学の祖先的な遺産的意義があると言われ、研究が進んだ今日の…