平和にのんびり英語教育

香川県のフリーランスjackerのブログです。

不登校について考えたこと

社会問題として、不登校児童・生徒の増加が挙げられます。通信制の学校の増加が端的にそれを表しています。どうして不登校児童・生徒は増加したのか、今回はその要因について考えたいと思います。

 

私が考える不登校児童・生徒の増加の要因は以下の通りです。

 

(1)グローバリゼーションと情報社会の加速化

(2)新自由主義的な資本主義経済システムの暴走

(3)均一化を求める日本文化の名残

(4)過酷な環境

(5)追い詰められた心理(アイデンティティの喪失)

 

(1)は2000年代以降加速化された世界態勢です。時空の圧縮とテクノロジーの発展により、世界はこれまでとは違った形を見せるようになりました。これにより、(2)が増強されます。国際競争の激化という流れの中、日本社会でも、競争を重視する新自由主義的な資本主義経済システムが過度な暴走を行うようになりました。それが(3)という従来の日本文化システムと負の相互作用を起こします。均一化を求める従来の日本独自のムラ文化の名残により、日本に住む人々は競争に追いつかなければならないという焦燥感に襲われます。それらが相互作用し、(4)につながります。主に学校と家庭という要素が挙げられますが、競争の画一化という学校教育システムの変容により、学校に適応できなくなる児童・生徒が増加したものと思われます。教師たちは多忙の日々に巻き込まれ、児童・生徒たちと対話が困難になっているのかもしれません。また、自身たちのアイデンティティを守るために、児童・生徒たちは他者に牙を向けているのかもしれません。従来の居場所である学校が「安全基地」として機能しなくなると、家庭に責任が押し付けられます。家庭も(1)~(3)の影響を受けているため、児童・生徒たちと人間的な温かい関係を築きにくくなっているのかもしれません。そして、(5)に最終的に向かいます。追い詰められた児童・生徒たちは自分たちの失われたアイデンティティを守るために、自分の殻にこもるというアプローチしか取れなくなってしまっているのかもしれません。

 

(1)や(2)は経済学者たちがグローバリゼーションと情報社会の弊害について、きちんと正直に語り、そこから資本主義以外の生き方を提示する必要があります。(3)は人類学者たちが日本文化を共時的通時的に見つめなおし、解決策を提案する必要があります。(4)は教育学者たちと行政が連携し、学校を過酷な環境から変革する必要があります。また、学校と家庭が連携し、児童:生徒たちの「居場所」としての学校について再考する必要があります。(5)は心理学者たちが若者の個人内心理について分析し、それをベースに若者に寄り添うためのアプローチを考案する必要があります。方法論として、心理学者たちと社会学者たちが共同して、当事者研究を基に、個人内心理システムとマクロ的な環境をつなぐ架け橋について考えることも重要です。

 

不登校問題というのは、21世紀になってから特に加速された「物語」です。これを科学的なアプローチのみならず、文学的なアプローチから見つめなおすことも大切なのかもしれません。

 

参考文献:

青田進 編著 (2008) 『私が不登校になった理由』日本教育研究センター

千葉孝司 (2014) 『不登校指導入門』明治図書

C. A. カーニー・A. M. アルバーニ 著、佐藤容子・佐藤寛 監訳 (2014) 『不登校認知行動療法 セラピストマニュアル』岩崎学術出版社